前回名刺入れでご紹介した安曇野の木工房 kajitu さんですが
奥さんは私の学生時代からの友人です。
前回ご紹介するにあたって、彼女との忘れられない思い出が湧き上がってきたのでここに書いてみようと思いました。
話は私の昔の大失恋まで遡ります。
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私は10代の終わりに一生一緒にいると思っていた人と別れたとき
あまりのショックで声が出なくなったり、外に出てもまっすぐ歩けない感じだったりで
いつでもどこでも突然泣き出しそうだったので
しばらく自主的に引きこもっていたのだけれど
3,4か月経った頃、「気分転換になるかもしれないし、おいでよ」と
女の子たちのクリスマスパーティーに誘われて出かけたことがあった。
そこで、コートを脱いでセーターになったとき、「しの……。やせたね……」と一同に引かれて
そのときの私ははっきり言って(私がいくら着飾ろうと彼が戻ってこないのは明白だったし)
自分の容姿どころではなかったのだけれど
「皆がびっくりしちゃった……」とちょっと申し訳なく思い
その場には若干の気まずさと、もうそれには触れないでおこうね、みたいな空気が流れた。
それから皆で若い感じでわいわい過ごして
ご飯を食べようとなったときに、彼女がポツンと私に言った。
「しの、肉食べな」
それは本当に力が入っていなくて、ただそのとき、そう思ったから発せられた感じの言葉で
たしかあのとき私は「うん」と頷いて、もそもそ箸を取ったのだと思うけれど
彼女のそのぼそっとした言葉に、半分抜け殻みたいな自分が「生きて!」と励まされた気がした。
きっと彼女は覚えていないと思うけれど
息をするのさえ苦しかったような日々
振り返ると、身近な人たちの優しさに随分支えられていたことに気がつく。
そして、どんな日々も過ぎゆく。
その後
私はしばらく彼を待ち続けると決めて
予感や直観をより意識する中
深いレベルでの自分の創造性を思い出した。
そして、幾つかの恋愛もして
最近ではカップルカウンセリングまで始めている。
生きていると、色々なことを経験する。
全てを失うのも手にするのも結局は同じなのだ、と感じるようなときもある。
でも、私はやっぱりこの世界で、幸せを選びたいと思うし
そのお手伝いもさせていただいている。
そしてあのとき、さりげない優しさをくれた彼女
離れた土地で暮らす他の友人たちと同じように、どこにいても幸せであれと願う。
&色々なことが起こる人生の中、ふと思いついて
彼女の旦那さんの名刺入れを売ってみたりすることができるのも醍醐味です。^^