外出と人間関係①

今回は、外出と人間関係の話をしたいと思います。

もしも今、これを読んでくださっている方の中に、家から出るのが怖くなってしまったり、「人にどう思われるかが気になってしょうがなかったりする」という方がいらっしゃいましたら「自分が周りにどう思われるかな?」と考え続けるよりも、できるだけ「自分がどんな目で世界を見るか」に意識を切り替えていくことをおすすめします。(色々なケースがあると思いますので、もちろん個別にお話を伺うことも可能ですが、ここではざっくりとお話しますので参考になればと思います)

私たちが外出をしてどなたかと接するときには、それが瞬間的なものであっても、長期的なものであっても、その方の世界観に触れることになります。
そして、その世界観は人の数だけあって、自分と似ている人も恐らく真逆な方もいます。
また、他の人はその世界観・価値観をベースに自分を見てくることもあり、理想の何かを投影されることも、思わぬところで否定されることもあるかもしれません。
そういった中で、あらゆる人の目を意識したり、ただ合わせようとすると自分が混乱したり疲れてしまうと思います。

ですので、相手の出方をただ窺い続けるよりも、自分のほうが “世界や人とどう接するか・付き合うか” を選んでいこうとすると楽になることも多いと思います。(そもそもそれを今どのように決めていいかがわからなかったとしても、この先少しずつ自分の心地良いあり方を探していけばいいと思います)

私の話になりますが、私は外出する前に「これから私の目の前に現れる人に、尊厳と尊重を持って接することができますように。できるだけそれができるように、どうか私を導いてください」と軽く祈ったりしています。(セッション前は特に念入りにしています)
自分でも「真面目だなぁ」と思いますが(^^)、このようにフォーカスすると他の人の目に自分がどう映るかを過剰に気にしたりするよりも遥かに楽なのです。(こう願うのは「いい人でいたい、いなきゃいけない」などというよりも、心地良いコミュニケーションが取れると自分も嬉しいからであって、誰かに証明するためでも、絶対的な Mustとして自分に課しているわけでもありません。&チャレンジを感じながら落としどころを探ったり「今日は難しかったなぁ」と思ったりするときも、もちろんあります)
そして実際にリアルな人と会って話をしている最中は、そのコミュニケーション自体に集中していることが殆どですので、自分が先に願ったことを頑張って意識し続けているわけではないのですが、その思いを何となくふわっとさせていると、スムーズなやり取りができることも多いと感じています。

世の中には色々な考え方・状態の人がいますので、人間関係を「自分と同じか、違うか」「どちらが正しいか、正しくないか」「勝つか、負けるか」で測るものとして捉えると摩擦が生じやすくなりますが「その人が何を信じているか、何を選択しているか」よりも、その人の本質的な輝きや、今楽しく話せそうなことに注目すると見えてくるものもあります。(もちろん場合によっては、笑っているだけではなくて、何らかの交渉や、深い話が必要なときもありますが)

そしてまた、出会った全ての人とパートナーや親友のような関係を築かなければいけない、というわけではないというのもポイントです。(パートナーや親友になるような関係は、基本的に互いが自然な好意を感じて始まったり築くものであって、その好意は無理矢理絞り出さなければいけないものではありません)ずっと一緒にいるのは難しくても、少しの間だったり、特定のことならば話せるというような関係もあるかもしれませんし、それを繰り返しているうちに親しさが増すようなこともあるかもしれません。また、同じ方との関係も色々な状態のときがあると思います。(※それは血が繋がっているような関係でも同じです)

さまざまな人と関わる中で、時に長期的だったり、深くコミットすることになったりする方との出会いもあるかもしれませんが、特に今、人との関わりが希薄だと感じる方は、目の前の関係が長く続くかどうかをただ測るよりも、まずは瞬間的なコミュニケーションを楽しもうとするといいのではないかと思います。
身近な人がいないという方も、たとえば買い物でお店の人と接するときに、少しでも目を見て受け答えをすることを意識するなど、そういうところからでも始められます。(お店の人も人間ですので、こちらも相手を一人の人として見て接すると、親切に対応してくれることが多いですよ!&相手の人から何かをもらえるか、もらえないかは抜きにして、まずは自分のあり方を積み重ねていくことにフォーカスするといいと思います)
そして今、共通の話題を見つけられなさそうな人のことは心の中でその人の存在をただ受け止める、それだけでもいいと思いますし、心理的・物理的に離れたところにいたほうが楽そうな人に関しては、その距離感を意識するのもいいと思います。

以前、少し離れたスーパーに自転車で行ったら大雨が降ってきたので雨宿りをすることにしたのですが、そのとき私はベンチで隣に座ったおばあさんとおしゃべりをしました。
そして、雨風がなかなか止まないので途中で小さな紙パックのジュースを買いに行き、彼女にもごちそうしたら「あらあら。雨が降ってツイていないと思ったら大吉ね」などと喜んでくれて小一時間ほど雨宿りを楽しんだ記憶が今も残っています。
そのおばあさんとはどしゃぶりでなければ恐らく出会うこともなく、お互いにそれ以上は何も求めませんでしたが、こういった些細なコミュニケーションも楽しめるようになると、人生がより豊かになると感じます。

次に、特に過去に何かがあって人と接することが怖くなってしまったり、「愛さえあれば!」と思いながらも、よく人と揉めてしまったりする……というような方も意識すると良さそうなポイントを挙げていきたいと思いますが、長くなりそうですのでこの記事は2つに分けることにしました!→外出と人間関係②