悩みを話すこと、聞くことについて

今回は人に悩みを話すこと、聞くことについて書いてみたいと思います。

このお仕事をしていると、顔を合わせた数秒後にその方のお悩みを聞くことも多々あるのですが、いつまでも忘れないでいたいと思うのが、「自分のことや本音を人に話すのは、時にとても勇気がいる」ということです。

セッションは限られた時間ではありますが、私を見つけてくださったり、時に勇気をもって自分を見つめようとされていたりする方に完全にフォーカスをして、そのときできる限りのことをさせていただきたいと思っています。


今カウンセリングを受けるかどうかを考えている方の参考になればと思いますが、人に「困ったことや悩みを話したい」ときには、以下のような衝撃の緩和、「○○がつらい」、悩み相談等があると思います。
(これらが幾つか重なっていることも多々あります)

衝撃の緩和
「予想外のことがあってびっくりした」等ということをちょっと人に話して、「それは大変だったね」というような会話の中で、小さな癒しが起きたり気分が変わったりすることがあります。

「○○がイヤ」や「○○が辛い」
何らかのシチエーションにおいて「○○がイヤ」や「○○が辛い」という不満があるときに、それを人に話すことによってすっきりしたり、解決へのヒントが得られたりすることもあるかもしれません。
(……ただ、自分が何の改善策も取り入れずにこれを慢性的に続けていると「愚痴」として受け止められる可能性もあります)

悩み相談
現状や○○に関して「自分はどうすればいいだろう?」と考え始めて、それを他者と共に探っていくことです。

セッションにいらっしゃる目安ですが、ご自身の現状や心情に何らかの変化を求めている(何が起きているのかよくわらないけれど、とにかく辛い・モヤモヤするから何とかならないだろうか、も含めて)というのが一つのポイントになると思います。
また、「ご自分の本当の気持ちや望みを確認したい」「現状や進みたい方向について別の視点からの意見も欲しい」というような場合にもお力になれることがあると思います。
(セッションの中でお伝えしたことを取り入れていただく / いただかないのももちろんご自由です。こちらから何かを強制することはありませんのでご安心ください)

そして、お越しいただいた際には、気になることや悩んでいらっしゃることをより深く見ていきます。
たとえば衝撃の例ですが、「さっき手をぶつけてしまった」「突然の雨に濡れてしまった」等はお近くにいる方と話をして簡単に解消できるかもしれませんが、「大事なものをなくしてしまった」というショックから中々立ち直ることができなかったり「自分が体験してしまったことを責め続けてしまう」という堂々巡りにいらっしゃったりするときには、安全な場で深く掘り下げていきます。場合によってはヒーリングや一定の休息が必要かもしれませんが、起きてしまったことの受け止め方によって苦しみが緩和されることもあると思います。

また、慢性的になると愚痴として受け取られやすい「○○がイヤ・辛い」ですが、この思い自体は自分にとって何らかの不快なものがあることに気づくきっかけとなります。(たとえば、熱いものに近づいたときに「熱い」と感じなければ火傷をしてしまうことがありますので、「熱すぎる」と感じること自体はいい / わるいではなく一つの気づきとして捉えることができます)
そして「○○がイヤだから、○○がなくなればいいのに」という思いは叶うことも叶わないこともあると思いますが、今すぐに○○がなくならないときには次のような問いかけが有効かもしれません。
(ご自身で難しい場合には、セッションで一緒に見ていくこともできます)
「○○はなくなる可能性があるか」
「○○をなくすことができるか・それは自分が取るべき責任の範囲内に入るものか」
「○○がなくならないとしても、限られた時間や期間なら許容できるものか」
「○○との関わり方や捉え方、工夫によって自分の不快感がなくなったり、軽減されたりすることはないか」

さらに少し複雑になりますが、「自分にとって○○は一体何なのか」を見ていくと「○○自体に別の何かが隠れている」ということもあります。そしてこのケースでは、話を聞いた人もただ一緒に○○を責め続けてしまうと、当事者が無意識的に行っているゲームのようなものを続けるための更なるゲームに参加してしまうことになります。(たとえ○○がなくなったとしても、似たような○○が現れ続けることもあります)
※話を聞く側に「相手の人と特定の関係を築きたい」という強い思いや「○○がイヤ・つらい」といった同じ悩みがあったりすると、このゲームのようなものから抜け出せなくなることもありますので、相談者や起きていることからある程度離れているほうが有効な場合もあると思います。

セッションでは、全体的に何が起きているかを見ながら、今大切なポイントやできそうなこと等もお伝えしていきます。
そして、現状が動くときには、ご自分自身にも何らかの変化が伴います。
(ご自分の心情に変化が起こると、現状が動くこともあると思います)

私たちは細胞レベルでも一瞬一瞬変化している生き物ですので、変化していくこと自体は自然なものとしても捉えることができると思いますが、「辛いけれど、変わりたくない。現状が動くことに抵抗を感じる」というときには、変化を難しいと感じてしまう理由や、特定の恐れが隠れていることもあると思いますので一緒に見ていきます。
また、人生において大きな決断をしなければならないと感じるときもあるかもしれませんが、そのような時期にお会いした場合には、決断の先にあるもの・本当に望んでいらっしゃるものに目を向けながら、それらにつながるヒントや道も探していきます。

私のカウンセリングにご興味をお持ちいただけましたら、セッションやワークショップでお会いできればと思います。
私のセッションは直観等を用いたものになりますが、スピリチュアルという言葉がお好きな方とも、そうではない方ともお話させていただいています。(セッションにおいて、私のほうから特定の信念体系のようなものに招きたいという前提はありません)
よろしければHP「ブルーミングツリー」お申込み詳細をご覧ください。

また、他のセラピストも含めてご検討なさる場合には、私からは特に次のような方をおすすめしたいと思います。

○今の状態のその人を見下げたり責めたりすることなく、そこから動いていくためのヒントを見出そうとする人

○その人の幸せを祈りながら、その人の選択や変容のプロセスを尊重できる人

○ニュートラル(中立)であること……上記でも触れましたが、その人の選択に自分の現状や何かが左右されすぎる人は視点が偏る可能性がありますので、そのことに気がついている必要があると思います。

○相性のいい人……セッションにおける変容は、セラピストと相談者が共に作り出す場の中で生まれたり促進されたりするものです。
ご自分自身もそういった場に参加されることを念頭に、肩書きやスキルだけではなく「この人なら話してみたい」というようなご自身のフィーリング(感覚)も大切になさるといいと思います。(今ではインターネットで拾える情報もたくさんありますが、迷う際にはセミナー等の顔が見える場を探したり、話している感じや声を聞いてみたりするのもいいかと思います)

世の中には伝統的な医療も含めてさまざまな手法やヒーリングがありますが、何を効果的と感じるかはご自身によると思います。
ご自分の大切な人生に何を取り入れるか、どういったものと合いそうかをどうぞご検討ください。


最後に私のプライベートな話になりますが、私も日常において個人的な話をすることはもちろんありますが、相手の人は私に一方的なアドバイスを求めているわけではないことを忘れないようにしたいと思っています。
セッション外で人と会っているときにも「今ここら辺が滞っているのかな」と感じることはありますが、ただ、自分がそれを感じる=やみくもに触れてもいい、ではないとも思います。(人は皆、それぞれの流れの中で色々な時を過ごしていますが、「相手の人に今変わってほしい・絶対に変わってもらわないと困る」と感じる場合には、それはもう相手の問題としてだけではなく、それをそのままにしておけない・おきたくない自分のこととしても扱う必要が出てきます)

セッションという枠の外では、私がカウンセラーであることも含めて、特定のあり方を(過度に)期待し合わずにいられる関係を持つことに心地よさを感じています。目の前にいる方とはできるだけ楽しく過ごすことにフォーカスをしたいと思っておりますので、これを読んでくださっている方と私がプライベートの場でお会いすることがあったとしても「こういう仕事をしている人から、今の自分や自分に起きていることをどういう目で見られるだろう?」等とお気になさることはないと思います。^^
お仕事としてのカウンセリングは、同意のある枠組の中で行っておりますのでよろしくお願いいたします。

志野